財団法人 極真奨学会 国際空手道連盟 極真会館 浜井派

試合の意義と心得


1.大会・交流試合の基本的意義

 大会・交流試合は基本的に選手の為に開催されるものであり、まず第一に出場選手が日頃の修練の成果を試し、ひとつの結果を通して今までの修練を反省したり、今後の修練の参考にする為の場である。
しかし大会・交流試合は選手を初めとして大会役員・大会運営協力員・審判員・来賓・後援者・父兄・観客そして他流派の師範などなど多くの参加者・協力者なしには開催・運営は不可能なイベントでもある。


なぜ多くの人々が無償で大会・交流試合に協力してくれるのか?そこには極真空手と武道の理念「力と感謝」・「強さと礼儀・節度」に対する共感と支持があるからである。

単に強さを誇る武術としてのみではなく、「人々がこうありたいと願う強さと礼節」が極真空手の本質的魅力であり、極真の理念だからである。
そこに多くの人々が惹かれ、憧れて支持・協力してくれるのである。

したがって選手は大会・交流試合を支えるすべての人々に感謝の気持ちを忘れてはならないのである。

 

 ゆえに選手は勝敗に関わらず、立ち居振舞いに常に配慮しなければならないのである。
もちろんその親族や応援団などにも礼儀と節度が求められるのは言うまでもない。

さて最近少年少女の大会・交流試合が盛んに開催されるようになり、別の問題や危惧が生じてきている。それは選手として参加する少年・少女の親御さんの言動及び他流派の師範の方々の言動である。


特に親御さんの中には組手試合・型試合にかかわらず自分の子供の勝敗に対して異常にこだわって興奮し、礼儀どころか節度さえ失っている例が多く見られるようになった。これには父親・母親の区別はない。

 

ある母親の例だが、負けた自分の子供を叱り飛ばしたり、挙句にはひっぱたいたりまでする そのうえ、それを止めようとした子供の父親つまり自分の夫と口論となり、夫が妻を平手打ちした為に夫婦喧嘩を始めてしまったのである
この件では両親とも会場から退場してもらうこととなった

 

これは極端な例であるが、それ以外にも
組手試合で自分の子供が負けたからと言って、審判に食ってかかったり
型試合で判定に納得いかないと、そのまま帰ってしまったり
など、礼節を忘れた親の態度が逆に子供たちに悪影響を及ぼす例がいくつか見られるようになってきたのである。

このような礼節を忘れた自己本位な行動は明確に武道精神に反するものであり、許されるものではないばかりか大会・交流試合開催の理念をも踏みにじる行為であるということを理解しておかねばならないのである。

 

 また他流派・自流派に関わらず師範の方々の中にも、選手への激励に夢中になり本部席あるいは本部席側から大声で応援している例が多々見られる。その心情については誰もが理解できるが、やはりその流派のトップの師範方は武道家として冷静になって大所高所から選手を見守ってあげて欲しい極真の全日本大会などでは本部席及び本部席側からの大声での応援は原則禁止あるいは暗黙のタブーとなっている何故なら実務的には本部の運営や情報伝達に支障をきたすからであり、儀礼的にはあまり師範方が熱くなっては見苦しいからである。)

 

 大会・交流試合の目的の一つにはすべての参加者がそれぞれの立場で礼節を試される場を提供するという意味もあるのである
そこが格闘技の興行やイベントと大きく異なるのであり、たとえ興行やイベントであっても、そこにはおのずと礼節が必要であると私見では考えられる。

極真会館が主催する以上、大会・交流試合は出場する選手の礼節ばかりでなく、その応援団や師範そして親御さんなどの家族、そして主催する側の役員・運営協力員・審判員・来賓及び他流派の師範方などすべての参加者の礼儀と節度が試される場なのである。

もちろん大会・交流試合を開催する役員・運営協力員の側にも説明不足や至らない点もあったり、審判員の未熟さもトラブルの原因のひとつであろうから、主催者側の礼節や運営の訓練や審判技術の向上も急を要する課題であることは間違いがない。
したがって試合結果や判定に関し、質問したり抗議したりする事はもちろん構わないが、そこにはやはり冷静さと礼節が求められるのである。
興奮したり逆上したりしての抗議や異議は大会の主旨に反する行為であり厳に戒められなければならない。

 


2.大会・交流試合参加者各位の心得

(選手の心得と礼節)
試合場に上がる場合、試合場枠に入る前に道場に入る時のように一礼し、正面本部席にさらに一礼する。
その後は主審の指示に従う。
勝ってもガッツポーズ等はしないように心掛ける。
最近小・中・高校生の大会の組手試合などで勝った場合、少年・少女などにガッツポーズ等が見られることが多くなったこれは極真の道場生と数多くの他流派の道場生が入り乱れて試合が白熱しているということも原因のひとつではあろうと思われるが、大山総裁の「武道は己に厳しく、人にやさしく」という理念と武道の礼節という面では、極真の大会では許すべきではないと考えるこれについては極真の選手ばかりでなく他流派の師範方にも事前に理解を求め、参加選手全員が心掛けるようにして欲しい
退場する場合は試合場枠を出たらまず本部席に一礼し、さらに試合場に一礼して退場する。これは選手ばかりでなく、審判員や役員も同じである。

 

(選手の両親・親族の心得と礼節)
子供の試合結果に両親が夢中になる気持ちはよくわかるが、空手を武道として考えるならばおのずと勝敗を超えて礼儀と節度が求められる事を両親や親族にも理解して頂かなくてはならない。
応援の声援には相手を中傷したり誹謗したりしない配慮が必要である。
また勝敗に関しても冷静に抗議するのは良いが、我を忘れて判定を非難したり中傷したりすることは厳に自重しなければならない。

 

(他流派師範の方々の心得と礼節)
やはりその流派の代表であり、服装や物腰・礼節に武道家としての期待がかかっているのであくまでもお願いでは有るが、是非ご協力いただきたい。人それぞれの信念やポリシーがあるのは承知の上でまず型(形)より入る武道の王道をご考慮いただきたい。

 

(役員の心得と礼節)
大会の進行が円滑に進むようにあらゆる面で常に会場に目配り・気配り・心配りを忘れないように心掛ける。
来賓および観客への配慮を常に心掛ける。
自流派・他流派を問わず、選手・師範に対しての礼節を常に心掛ける。
大会の事前準備事後のあとしまつは作業分担を明確にして手際よく進めたい。特に事後のあとしまつについては武道団体の名に恥じない徹底した清掃が望まれる。


(審判員の心得と技術そして礼節)
は日頃の修練の成果を試しに来るのであり、それに対し審判はあくまでもルールにのっとり、正確で公正な判定を実施しなければならない。
その為には日頃から審判講習会に参加し、常に最新の審判規定を確認し、正確で公正な審判技術を獲得しておかなければならない。
その上での判断の相違については、個々の審判員の信念に基づく決定なので尊重しなければならない。それゆえ主審も含めて5人の審判が存在し、偏りのない結果が求められているのである。


最近では青少年の交流試合などで、他流派の選手も出場してくる事が多いので、特に公平な判断が必要になってきていることに注意してもらいたい。

幸いな事に現在極真会館では審判技術向上委員会による審判技術解説ビデオが完成しているので、各支部あるいは分支部ごとに審判技術向上研修会を開催し、常に審判技術の向上に努めなければならない。

 

尚、審判の中でも主審は特に試合中においても“選手の指導”・“副審の指導”および“本部席からの指示への目配り”そして“観客への説明・解説”も含めて試合を公正に管理主導する高い能力と技術が要求されるので徹底して訓練しておく事。

また副審も一つ一つの技や反則についても信念を持って意思表示できるように、常に訓練しておく事。

副審で選手の入・退場側の2名は選手の入・退場の際の礼節(2度の礼)に常に目を配り、直接注意するよう心掛けておく事。

 

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