昨年2008年9月、石川県で開催している北信越&百万石杯空手道選手権大会に来賓として来てもらった元城南支部の坂本恵義師範が、「浜井師範の石川県で七段昇段の70人組手をやらせてもらえませんか?」と言ってきたのです。
坂本師範が2008年1月沖縄での連合会の世界大会で現役選手として戦い、3回戦まで進出したのを見ていたので「不可能とは思わないが年齢的にも厳しいのではないか。」と思いそうアドバイスしました。
しかし本人の意志は固く、ついに昨日8月9日(月)その日がやってきました。
当日は浜井派の審査会で240名の受審者があり、ご父兄や道情生で700名、70人組手の相手として50人の黒帯・茶帯が参集、さらには坂本師範の応援で横浜の道場生たちがマイクロバスで50名駆けつけ計1000名弱の観戦者が集まりました。
大場那緒太初段(2008年連合会全日本中量級チャンピオン)の20人組手と坂本師範の70人組手を連続して実施しました。
大場初段の場合、現役チャンピオンであり、20人組手ということもあって強力な突きと蹴りで1本勝ちを量産、最後まで危なげない戦いでした。特に強い左中段回し蹴りと速い内回し蹴りが相手を的確に捉えていました。完遂です。浜井派の道場生たちのいい刺激になったようです。
いよいよ坂本師範の70人組手です。
ゆっくりした動きからすばやい下段回し蹴りで相手の足腰を払って下段突きで技ありやあわせ1本勝ちを繰り返し50人までは1本勝ち11、優勢勝ち8、引き分け31という危なげない闘いぶりでしたが、50人を超えてからはさすがに動きが重くなり苦戦を強いられました。
当日は曇りで気温こそ30度を下回っていましたが、湿度が高く、座っている私でさえ汗びっしょり、これはきついだろうという状況でした。しかし何とか70人をやり遂げてくれました。
私は対戦相手としてきてくれた弟子たちに対して一切の手加減を依頼していません。
変な配慮は失礼になるし、逆に70人組手の価値を損なうと思ったからです。
あるがままに任せました。
ただアイススプレーや消炎鎮痛スプレーや塗り薬や氷の用意だけはしておきました。
正直きつい対戦相手の連続だったと思います。
そのため観戦者全員が最後まで大きな声援を坂本師範に送ってくれました。
みな感動していました。
49歳という年齢でのこの挑戦、本当にすばらしい挑戦です。
極真武道空手の初心・原点を忘れない自己との闘いでした。
言葉にせずとも参加したした人はみな極真精神・極真魂を感じたと思います。
終了後ドクターでもあり、幼稚園時代からの私の親友である柴田裕行氏が「絶対に病院へ連れて行って点滴したほうがいい。」とアドバイスしてくれたのでそのとおりにしました。
やはり急性腎不全を起こしていました。
二袋の点滴終了後真っ黒な小便がでたということです。しかし小便が出れば一安心です。
顔色もよくなったので慰労会の食事に誘いました。
ドクターに確認したところ食事は軽くならば大丈夫、酒はだめだとのこと。
食事はそこそこにしてホテルへ送らせました。
しかし翌日空港へ送るためにホテルに迎えに行ったところ、一睡もできなかったと言うことです。食べた食事でしゃっくりが一晩中止まらなかったということでした。
まさに命を縮めての挑戦だったのです。
2回目の夜、今日はゆっくり眠れるでしょうか?
このような50歳近くでの70人組手は前例がありません。
現役20~30代の全日本上位者でさえ四~五段、40~50人組手がほとんどです。
私も現在大連で1週間で10回の稽古に参加し指導していますが果たして30~40人組手に耐えられるかどうか?
しかし本当に久しぶりに極真精神に触れることができた思いです。
坂本師範ありがとう。 押忍